Nov 14, 2006

最近の出来事

マスガサックのセミナーにて

 南フランスの造り手の、マス・ド・マスガサックのセミナーを東急本店で行いました。こじんまりとした会で、オーナーのギベールさんの息子のサミュエルさんと、通訳の係りをしてくれた、“アキ”坂口(彼はフランス在住なので、)さんと3人で、白と赤と試飲をしながら、かなり古いヴィンテージのものまでを飲んでいきました。

 カベルネ種の比率の多い、(法律上はヴァンドペイの格付けになります)酒質のためか、若いうちでもそれなりに飲めるのですが、やはり10年~15年ぐらいたってくると、はっきりいって別の個性が表現されてきて、ここまで待たないと、ワインの本質は見えてこないのかなーという印象を受けました。

 うちの店でも2002のラスコンブや、プリューレ・リシーヌなどもお出ししているのですが、
カベルネの持つ熟成の可能性を考えると、やはりもう少し落ち着かせて出したい、というのが本当のところです。

ポメリースカラシップの審査をしました。

 9日に帝国ホテルでポメリースカラシップが行われました。筆記とテイスティングを超えてきた15人が緊張の中望む決勝です。

 私はまず2種類のワインのブラインドテイスティングを英語かフランス語で行う、制限時間は5分以内で、という審査を担当しました。朝一番で行われ、いきなり英語かフランス語でとのことですが、やはり最近の傾向として、語学問題は、ある意味当たり前になってきているので、選手はそんなに動じた感じもなく頼もしい感じです。

 ただし、テンション的にはあがっているので、どうしても始めにあんまりスピードを出してしまうと、やはり後半ばててコメントが出なくなって来る人も多く、ペースの配分が試されるところです。しかし、なんといっても品種や産地に関しての配点が多いのは明らかで、やはりかなりがんばったコメントをしても、最後の品種にたどり着かないと、コンクールですから点が入らないんですね。

 私自身の来年3月の世界コンクールのことを考えながら、こういう答え方は良い、これでは少し甘いなどと自分に置き換えて、そのためなのか、少しどきどきしながらの審査を行っていました。

 そのほかに行われた、筆記試験と、の合計で決勝進出者を決めます。決勝は白ワインと赤ワインの6杯取り、8杯取りというとてもオーソドックスな問題と、口頭試問が2つ、そして最近の傾向として、決められた時間内にいかに品種を探り当てていくのかという8種類のブラインドテイスティングと、本当に見ている人にとっても行き詰るような審査が続きます。

 ですからここでもある程度の体力というか、(集中力というものは体力で支えないと無理な面もあるので)息切れしないで、いかにサービスマンとしてのポテンシャルがあるのかというところも問われます。

 さまざまな問題をクリアーしてここで優勝者が決まるのですが、やはり基本的なグラスへの注ぎ分けや、品種をきちんと当てているということ、さらに口頭試問に対していかにポジティブに答えることができたかの差が、結果につながったということがいえると思います。

 人のコンクールを見るのはとても自分自身の勉強になることをより実感した一日でした。

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